7月12日、中国が南シナ海で主張していた領海の範囲(九段線)が国際仲裁裁判所で完全に否定されたらしい。2013年12月にフィリピンが国際海洋法条約に基づいて、オランダ・ハーグで仲裁手続きをしたのが始まり。足掛け2年半ぐらい。
今回の裁定は上訴ができないので、この国際的な司法判断は確定されたカタチ。つまり中国側(台湾含む)は完敗。もちろん法的な拘束力があるので、当事国は今回の決定に従う義務があります(罰則などはありません)。
確かに妥当な判決が出たことでネトウヨやマスコミは大いに騒いでいますが、今回の司法判断は日本にとっても大ダメージとなる可能性が高そうです。
(ウィキペディア)
台湾も「太平島(イトゥアバ)」という島を実効支配していたんですが、この島が「岩」として認定されたから。画像の太平島はかなり上空から撮影した写真のようですが、条約では「満潮時に海中に沈む」のは島ではないと定義されているので、確かにこれを島と呼ぶのは無理がありそうです。
裁定の中身を更に具体的に見てみると、「南沙諸島(スプラトリー諸島)に法的な島はない」「南沙諸島(スプラトリー諸島)で造成した人工島は違法」と認定されている。「諸島」と言われていたのに「島が一つもない」と認定されている、ある意味厳密に条約が適用された厳しい判決と言えそうです。
(海上保安庁)
沖ノ鳥島は日本最南端にあるとされる島。この沖ノ鳥島があることで日本は世界でもトップクラスの範囲のEEZ(排他的経済水域)を持つことができています。
(海上保安庁)
もちろんご存じの方が多いと思いますが、沖ノ鳥島はこんな感じ。太平島の比じゃねーーー!!!ってぐらいの岩っぷりwww
前述の通り、満潮時に海中に沈んでしまうと島とは認定されないため、画像のようにゴリゴリに護岸工事しているわけです。ただ明らかに護岸工事の域を超えていて、もはや人工島と呼んでいいかすら怪しいレベル。これを「島」と言い張るのは聡明な愛国者でも無理でしょう。
前述の通り、今回の国際仲裁裁判所の判決は「かなり厳密に定義が適用された内容」ですので、日本の詭弁が到底通用しないことが改めて明らかになったと言ってもいい。しかも2013年にフィリピン側が提訴したわけですが、これは中国の同意・不同意は関係なく一方的に始まった裁判。当然、日本が諸外国から仲裁手続の訴えを起こされると中国と同様に完敗する可能性が極めて高い。
外務大臣の岸田文雄は「当事国は判断に従うべき」と主張していますが、中国に法の支配や順守を求めれば求めるほど、日本には特大ブーメランとして返ってくることは言うまでもありません。
つまり今回の判決で日本が注視すべきなのは「中国の実効支配が否定されたこと」よりも、「南沙諸島(スプラトリー諸島)の全てが島として全く認定されなかったこと」の方が事実としては重いはず。ネトウヨ程度の知能ではそこまでは頭が回らないのは仕方ありませんが、安倍政権や日本政府は今後どうやって理論武装をしていくのか真剣に考えるべきでしょう…ってさすがにどう考えても覆せないか。
とりあえず先に言っておきます。アディオス!!わが沖ノ鳥!!!www
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今回の裁定は上訴ができないので、この国際的な司法判断は確定されたカタチ。つまり中国側(台湾含む)は完敗。もちろん法的な拘束力があるので、当事国は今回の決定に従う義務があります(罰則などはありません)。
確かに妥当な判決が出たことでネトウヨやマスコミは大いに騒いでいますが、今回の司法判断は日本にとっても大ダメージとなる可能性が高そうです。
島の定義
今回の決定には台湾も何故か激おこ。絶対に受け入れがたいと強硬な態度に出ています。理由は簡単。(ウィキペディア)
台湾も「太平島(イトゥアバ)」という島を実効支配していたんですが、この島が「岩」として認定されたから。画像の太平島はかなり上空から撮影した写真のようですが、条約では「満潮時に海中に沈む」のは島ではないと定義されているので、確かにこれを島と呼ぶのは無理がありそうです。
裁定の中身を更に具体的に見てみると、「南沙諸島(スプラトリー諸島)に法的な島はない」「南沙諸島(スプラトリー諸島)で造成した人工島は違法」と認定されている。「諸島」と言われていたのに「島が一つもない」と認定されている、ある意味厳密に条約が適用された厳しい判決と言えそうです。
沖ノ鳥島は完全な岩
そこでひるがえって日本を考えみると、やはり思い出されるのが沖ノ鳥島。(海上保安庁)
沖ノ鳥島は日本最南端にあるとされる島。この沖ノ鳥島があることで日本は世界でもトップクラスの範囲のEEZ(排他的経済水域)を持つことができています。
(海上保安庁)
もちろんご存じの方が多いと思いますが、沖ノ鳥島はこんな感じ。太平島の比じゃねーーー!!!ってぐらいの岩っぷりwww
前述の通り、満潮時に海中に沈んでしまうと島とは認定されないため、画像のようにゴリゴリに護岸工事しているわけです。ただ明らかに護岸工事の域を超えていて、もはや人工島と呼んでいいかすら怪しいレベル。これを「島」と言い張るのは聡明な愛国者でも無理でしょう。
前述の通り、今回の国際仲裁裁判所の判決は「かなり厳密に定義が適用された内容」ですので、日本の詭弁が到底通用しないことが改めて明らかになったと言ってもいい。しかも2013年にフィリピン側が提訴したわけですが、これは中国の同意・不同意は関係なく一方的に始まった裁判。当然、日本が諸外国から仲裁手続の訴えを起こされると中国と同様に完敗する可能性が極めて高い。
外務大臣の岸田文雄は「当事国は判断に従うべき」と主張していますが、中国に法の支配や順守を求めれば求めるほど、日本には特大ブーメランとして返ってくることは言うまでもありません。
つまり今回の判決で日本が注視すべきなのは「中国の実効支配が否定されたこと」よりも、「南沙諸島(スプラトリー諸島)の全てが島として全く認定されなかったこと」の方が事実としては重いはず。ネトウヨ程度の知能ではそこまでは頭が回らないのは仕方ありませんが、安倍政権や日本政府は今後どうやって理論武装をしていくのか真剣に考えるべきでしょう…ってさすがにどう考えても覆せないか。
とりあえず先に言っておきます。アディオス!!わが沖ノ鳥!!!www