フィギュアスケーターの浅田真央選手(以下敬称略)が今日2017年4月12日に正式に引退を発表されました。まさかの電撃引退。そして26歳での引退は正直早いなぁと、国民の誰しもが思ったことでしょう。

しかしながら浅田真央の左膝痛は極限状態だったらしく、振り返ってみても最近はあまり芳しい成績を残せてなかった印象。来年2018年に韓国平昌オリンピックも迫っていますが、そこを待たずして引退を発表したのは浅田真央にとってかなり重大な決断だったことは言うまでもないか。

それでも浅田真央が日本国内に残したインパクトや印象は強烈。そこで一部のネット界隈やマスコミ界隈では「浅田真央に国民栄誉賞を与えよう」という声もあるらしい。ただ個人的にはやや微妙。正直「そうだよね!」と快諾できる気持ちにはなれなかった。

浅田真央の成績自体は微妙


何故なら結論から理由を書くと、浅田真央が残した成績そのものが「やや微妙」だから。

確かに浅田真央は数々の金メダルを獲得してるものの、あくまで世界選手権や四大陸選手権での話。世界選手権だと金メダルは3個、四大陸選手権も金メダルが3個。グランプリファイナルでは4個も金メダルを浅田真央は獲得済み。

ただ、ことオリンピックに至っては浅田真央は一つも金メダルを獲得できていない。浅田真央が初めて出場した2010年バンクーバー五輪では、あのキム・ヨナに負けてしまって銀メダルに甘んじたことは今でも鮮明に残っています。

次の2014年ソチオリンピックに至っては、浅田真央はまさかの6位。ショートプログラムでの大失敗が尾を引きました。それでもトップのソトニコワの結果を考えると、やはり浅田真央が金メダルを獲得するのは厳しかったか。いくら浅田真央でも世界の壁は想像以上に厚かった。


浅田真央は「記憶」に残る選手だった


だからそういった「ドラマティックな負け」も含めて、あくまで浅田真央は記録ではなく「記憶」に残るようなフィギュアスケーターだったと言えるでしょう。お笑い芸人の千原ジュニアも確か同じようなことを言っていた気がしますが。

プロ野球選手で浅田真央を例えるとしたら、清原和博。引退後の不届きはひとまず横に置いておいて、清原和博はホームランバッターのイメージがありますが、実は意外と大きなタイトルは取れてない。それでも日本国民の多くにとって、良くも悪くも記憶に残る野球選手だったことは間違いありません。

ただ、だからと言って清原和博に国民栄誉賞を与えたいとは基本的に誰も思わないはず。もちろん引退後のおイタがなかったとしても。それはひとえに「偉大な業績」が残っていないからに尽きると思うんです。


偉業を成し遂げた人に国民栄誉賞を渡すべき


つまり浅田真央に国民栄誉賞を与える要素が、現段階ではかなり乏しいということ。

もちろん浅田真央はまだまだ若いですから、これからフィギュアスケーターの指導者として大成する可能性があります。少なくとも、そう期待している国民は多いと思います。もし指導者として何人も金メダル選手を輩出したら、十分すぎるほど国民栄誉賞に値すると思います。

ただスポーツは結果を残してナンボの世界。自分はおすすめの人気スポーツ漫画ランキングも作りましたが、マンガの世界でも言えますがスポーツは勝たなきゃ面白くない。いくらカリスマ性があっても、いくらみんなの記憶に残ったところで、やっぱり偉業を成し遂げてそこで初めて全員に評価されると思うんです。

確かに微妙な成績で国民栄誉賞を獲得した人も中にはいます。例えば松井秀喜。長嶋茂雄はいいけどなんでやねん、という声も未だに根強いです。ただ「日本人初となるワールドシリーズMVPの獲得」といった「大きな初」も一応はギリギリ残してはいます。

でも浅田真央の場合は「初めての偉業」すら何もない。浅田真央はトリプルアクセルは初めて成功させてるものの、これを偉業と呼ぶのは厳しいでしょう。まだ国民栄誉賞を与えるのであれば、百歩譲って羽生結弦。ソチオリンピックで金メダルをしっかり獲得し、サッカー女子と同様にまた東日本大震災の復興に尽力したドラマ性もある。

所詮はその程度の賞と言ってしまえばそれまでですが、政治家の人気アップのために乱発されても、国民栄誉賞のありがたみが薄れるだけでありましょう。しかも結果的に叩かれるのは受賞した浅田真央自身。むやみやたらに国民栄誉賞を乱発したところで誰も喜ばないよ、というお話でした。

とりあえず浅田真央選手に対して「お疲れ様」という無難な一言で締めたいと思います。これからはゆっくり遊んで、しばらくは悠々自適に暮らしてくださいませませ。
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