週刊朝日12月23日号1
(週刊朝日12月23日号)
週刊朝日が次の衆院選(第48回衆議院選挙)の当落予想を立ててたので、自分なりの考察も交えて分析したいと思います。

第48回衆議院選挙の大義や争点

まず次の衆議院選挙が行われるタイミングはいつなのか。前の衆議院選挙は2014年12月に行われたので任期満了は2018年12月になります。ただ前回の総選挙は消費税を先延ばしにするというアベノミクス白旗宣言にしか思えませんでしたが、そういう大義で解散されました。

一般的に衆議院選挙は任期満了まで待たずに「解散」して行われることが一般的。歴史を振り返っても任期満了で衆院選が行われた試しは数えるほどしかないらしい。ということで、おそらく次の衆院選も何らかの大義を作って自民党は「解散」してくるはず。

2018年に解散する場合は任期満了に近い。来年2017年夏には都議会議員選挙が行われる。そこでささやかれているのが2017年1月に招集される通常国会後の解散。具体的には2017年1月に解散して、2月19日か26日に次の衆議院選挙を行うというもの。

じゃあ大義や争点は一体何なのかと言えば、不明。今月12月には日ロ首脳会談や安倍総理の真珠湾の謝罪の旅などが行われるので、その延長線上でやればいいやというノリか。強硬にTPPや年金カットしても有権者はきっと忘れているだろうと判断してるのか。

既に野党の民進党は次の衆院選の公認内定者に200万円の選挙準備資金を振り込んでいるそう。少なくとも政治家たちは臨戦態勢の模様。その割に民進党は候補者をろくに集められておらず、野党共闘にもどこか及び腰ですが。カジノ法案にしても結局最後は日和っちゃいましたし。


第48回衆議院選挙の自民党、民進党、維新の予想議席

ということで2017年衆院選の注目選挙区の当落予想。政治ジャーナリストの浅川博忠と角谷浩一が予想。

◆浅川予想
○自民292 公明36 維新18 民進95 共産22 自由1 社民2 無所属9

◆角谷予想
○自民260 公明32 維新9 民進130 共産28 自由6 社民3 無所属7


結論から書いておくとこんな議席数になる模様。浅川予想は自民に甘く民進党に厳しい。角谷予想は維新に厳しく、民進党以外の野党に甘いといった感じ。

さすがに野党共闘が一定程度は衆院選でも進むはずですから、自民党が変わらず2017年以降の衆院選でも現状維持できるのかは疑問。だからといって小沢の自由党が6議席も取れるのかも疑問。

2016年参院選の維新の比例票の減らし方を見れば、維新が衆院選でも惨敗することは確定路線とはいえ、さすがに一桁議席台はありえない。ちなみに維新は2014年で41議席取ったものの分裂しまくった結果、現在は15議席。維新の場合、厳密には大きく議席を減らすというより現状維持か少し積み増す程度が現実的な予想でしょう。

だから接戦区も多いと予想されます。


注目選挙区(北海道・東北編)

週刊朝日12月23日号3
まずは注目選挙区の北海道や東北の当落予想を見たいと思います。北海道は民進党に厳し目の予想。

詳しく見てみると、北海道2区は民進党の松木謙公がやや有利と予想されてる。確かに2014年の選挙では、自民吉川が88667票、維新松木が56375票、無所属池田が46992票、共産が36277票だった。票数だけ見ると野党側が圧倒。

ただ一方で北海道4区は自民当選と予想されてる。でも4区は今夏の参院選で当選した鉢呂吉雄の選挙区だった場所。前回2014年の衆院選では、は自民中村が77690票、民主鉢呂が70049票、共産が23532票。票数だけ見たら野党票の方が多いはず。

他にも北海道9区では自民堀井が勝利と予想されてるものの、前回2014年の衆議院選挙では堀井97805票、山岡86252票、共産29841票。堀井圧勝という予想はどうなのか。まあ共産党は北海道で候補者を取り下げればという大前提ですが、それでも民進党はもう少し当選するでしょう。今夏の参院選の比例票だけ見ると、自民も民進党も大差ないレベルにまで迫られてる現実は重い。

鈴木親子は北方領土問題、TPP問題で完全に北海道の中でも空気でしょう。鈴木娘は北海道7区から比例に逃げるらしい。

岩手は野党側が有利。唯一自民が勝てそうなのは岩手2区。前回の票差を考えると、次の衆院選でも野党共闘しても自民が勝ちそう。

宮城県の当落予想は全体的に自民が有利。確かに前回衆院選の票差を見ている限り、確実に民進党が勝てるのは安住の選挙区ぐらいでしょう。参院選の比例票を見ると、自民が36万票に対して民進が25万票。決して勝負にならない差ではないと思われるので、民進党は単にタマ不足と考えるのが自然か。

ちなみに拉致被害者の増元さんが出馬してたりする宮城2区。自民秋葉は自民市議と不仲で、まさか党本部に公認しないように直訴されてる。民進林はいかに野党共闘できるかがカギか。

秋田1区は意外にも民進寺田が有利という予想。前回は自民富樫が66388票、民進寺田が57782票、共産が11579票、社民が5441票。決して民進寺田が有利と思えるほどの票差ではないと思いますが、寺田学の元々の地盤だったというのが予想を有利に働かせたのか。

秋田3区は当落予想は分かれてますが、前回は自民御法川が94096票、維新村岡が88483票、共産が14333票。票数だけでは野党側が有利。ちなみに「維新」と表記してることがありますが、彼らは全員後に民進党に移籍してます。

山形は2区が接戦区。前回の票数を見ると、自民鈴木が97915票、民主混同が90420票、共産が11086票。特にTPPの一件があったので自民がやや不利か。参院選では自民候補が惨敗してる。自民鈴木は国会をボイコットしてケジメを付けたといってるものの、どうなるか。

山形3区は民進党などは阿部寿一に一本化。単純に票数を合算すれば阿部寿一が勝利しそうですが、ただ共産党なども支持することで保守層が離れるか離れないかがカギを握りそう。また阿部寿一は無所属出馬ということもあって、比例復活できないのがどう出るか。

福島県は下の画像に貼ってますが、福島県は全体的に民進党がやや有利

具体的に参院選の比例票を比較すると、自民が28万票で民進が25万票と肉薄。民進党の比例票の伸び率がハンパない。きっと自民の原発推進と復興の遅さが尾を引いてるものと考えられます。公明と共産の比例票も変わらないなど、全体的に野党側が有利に戦いを進められそうな地域。

自民が安牌な選挙区はせいぜい福島2区ぐらい。ただ福島5区は民進党の吉田泉が引退したことで、やや情勢が不透明。もし吉田泉だったら当選してた可能性は高そうですが、しっかり引き継ぎできるかがカギ。


注目選挙区(埼玉県)

週刊朝日12月23日号4
続いて注目選挙区は埼玉県。埼玉県の選挙区は全体的に自民党が有利。何やかんやで田舎だからか埼玉県は保守的。名前を見る限り、揃えてるタマも良いんだと予想。

民進党が前回落選した選挙区で健闘しそうなのが埼玉7区と埼玉9区、埼玉14区程度。今夏の参院選の比例票が公明党が49万票、共産党が43万票。民進党としては共産党票を取り込めない限り、まともに埼玉県で当選するのは厳しいか。

とはいえそれでも民進党が接戦区で当選する可能性が高そうなのは、埼玉7区の小宮山ぐらいか。


蓮舫は衆院選に鞍替えするのか

週刊朝日12月23日号4
続いて注目選挙区の東京を見ると、東京1区に蓮舫の名前。民進党・蓮舫が東京1区から出馬するという噂もありますが、さすがに海江田万里が引退してない以上可能性は低そう。

もし蓮舫が衆院選に鞍替えする可能性があるとしたら、東京5区。民進党には手塚仁雄という候補者がいたんですが、千葉かどっかに引っ越しした。手塚仁雄は別の選挙区から出馬する可能性が高く、つまりその後釜には蓮舫?という見立て。

他には東京8区の石原伸晃と3区の石原宏高がピンチらしい。票数的に考えると8区の石原伸晃はそこまで苦戦を強いられないと思いますが、3区の石原宏高は民進党の松原仁だけあってかなり厳しそう

週刊朝日12月23日号5
東京選挙区も何やかんやで自民党が強いものの、前回は長妻昭しか勝てなかった民進党は頑張れば半分ぐらいはひっくり返りそうです。


神奈川6区の公明上田が落選するか注目

週刊朝日12月23日号5
続いて神奈川県の注目選挙区を見ておくと、個人的なおすすめ注目選挙区は神奈川6区。公明党が出馬してるんですが、前回の票数を見ると公明上田が78746票。維新青柳が52368票、民主三村が43464票、共産が23103票。

神奈川6区はずっと民主と公明の接戦区だったんですが、意外と公明党が弱い。公明上田が当選したときはもれなく色んな政党がガヤガヤ出馬してる場合が多い。次の衆院選で一本化されると、ほぼ公明上田が負けると思います。

民進党は江田一味を取り込んだものの、神奈川も自民が全体的に強い。

例えば、今夏の参院選の比例票だと自民が140万票、民進党が88万票。都市部でも異例の票差。ただ民進党は前回の参院選から40万票以上を積み増してるので、江田一派を取り込んだ効果は出始めてる。共産党も比例票50万以上に伸ばすなど勢力を拡大。公明党を上回る規模。

やはり野党共闘がカギを握ります。連合頼みだと当選は不可能でしょう。候補者の名前を見る限りは、自民党はタマ自体が優れてることも大きそう。


注目選挙区(愛知県)

週刊朝日12月23日号6
続いての注目選挙区は愛知県。コチラは民進党が圧倒的に有利。前回2014年衆院選では半分ぐらいは自民党に取られたものの、次の2017年の衆院選では下手すれば民進党がほぼ全勝の可能性もあります。

唯一自民党が健闘しそうなのが愛知10区。もともと保守的地盤として知られている地域。ただ野党候補が一本化してくると自民江崎もヤバそう。やはり共産党の票がカギを握ります。


京都は谷垣や伊吹といった重鎮自民が引退へ

週刊朝日12月23日号6
続いての注目選挙区は関西の京都。民進党はタマが良いのでかなり健闘しそう。維新の衰退も全体の情勢に寄与。

自民はサイクリング谷垣や伊吹文明といった重鎮が多く、長らく他の追随を許さななかったもの、もしかすると次の衆院選で引退の可能性。サイクリング谷垣は事故ってかなり状態が悪く、年齢もああ見えて70代。伊吹文明は年齢が78歳とかなり高齢。

そういった諸々を考えると引退がチラつくのもむべなるかな。良い後釜が見つからない自民党としては痛い。そうなってくるとこれまでのように安定して自民党は京都でも勝てるのかはやや疑問が残るところ。

一方、野党側は共闘がネック。今夏の参院選の比例票を見ると、民進党が21万票、共産党が19万票。参院選でも複数区だったとはいえ共闘が選挙区で成立せず。お互いがそこそこ強いのですぐ仲良く手を握ることができない模様。京都の民進党は京都1区にも出馬させようという算段。これがどう影響するのか。

ただ京都1区の共産穀田的には、民進党に出馬してもらって保守層を奪い合ってくれる方が惜敗率が高まって当選率が高まるような気がします。とはいえ象徴的な選挙区であることに違いはなく、そこがどういった影響をもたらすのか。


維新は大阪でも苦戦

週刊朝日12月23日号8
続いて注目選挙区は大阪。

民進党は大阪だと完全に空気ですが、大阪10区はやはり保守票が分裂することもあってやはり次の衆院選でも辻元清美が勝ちそう。また地元の市議会議員に辻本の子飼いの議員がたくさんいる。そこに共産票も辻本に乗っかると「民進党の鉄板区化」してもおかしくない。

あと大阪11区も注目。民進党の平野勝利を角谷が予想

確かに2014年衆院選の結果を見ると、自民佐藤が73931票、民主平野が61216票、維新伊藤が58321票、共産が20119票。自民佐藤は内紛を抱えてることもあって、共産が平野に乗れば実は十分当選可能。民進党の大阪での比例票は2014年衆院選が29万だったのに対して、2016年参院選では34万票と少し積み増してる。一時期より持ち直してることも好影響か。

ただ大阪の選挙区と言えば、やはり維新の当落予想が気になります。でも画像を見たら分かるように、基本的に自民勝利と予想してる人が多い。さすがに馬場や遠藤あたりは当選すると思いますが、それでも「大阪維新最強」と謳う割に鉄板区が一つもないのが痛い。

結局維新が強いのは一対一のタイマン選挙(首長選挙)だけ。もしくは中選挙区制の地方選挙だけ。意外と小選挙区制の国政選挙では弱い。また維新が出馬しないことで面白い選挙区があって、それが公明党の選挙区。こちらには当然自民党も出馬しないので、実は野党側から考えると「勝てる選挙区」と言える。

例えば大阪3区のカジノ大賛成の公明・佐藤はやや当落線上。他にも大阪5区の国重も当落線上。実際、前回衆院選の大阪3区は公明佐藤は84943票に対して、共産渡辺は63529票大阪5区の公明国重は92681票、共産石井は68430票。大阪16区の北側にしても候補者を一本化されると実は当落線上まで追い込まれる。

大阪での共産比例票は最近安定して40万票以上を得票してるので、実は侮れない。安保法制やカジノ法案、年金カット法案など最近の公明党の動きに不満感を持つ創価信者も少なくないのか。維新的にも公明党が落選してくれた方が大阪の政治を進めやすいか。


沖縄県で社民党や共産党は当選するか?

週刊朝日12月23日号8
ラストの注目選挙区は沖縄県。前回は自民党が全敗でしたが、次の衆院選ではやや健闘するという予想。

実際共産党や民進党の比例票はずっと増加傾向ですが、自民党も実は沖縄県で比例票を伸ばしてる。逆に社民や自由党の比例票も減らしてる。あとオール沖縄も波乱含みのようですから、分裂選挙になれば自民が漁夫の利を得る可能性がありそう。

だから自民党=すぐ落選という発想は危険。とはいえ現状だとやはり野党側が有利と言えそうな情勢ですが。

沖縄1区の維新下地の当選は難しいか。維新の比例票推移を見てみると、前回の参院選から25000票減らしてる。2012年の衆院選と比較すると、今夏の参院選の比例票は約半分。とはいえ、それでも下地の比例復活は固そう。いつまで復活し続けられるかは知らないが(笑)

ちなみに「支持政党なし」は今夏の参院選の比例票を見る限り、次の衆院選でも議席を獲得するのは難しいでしょう。どこぞの有名人でも立候補させたら別でしょうが。幸福実現党と同様にスルー推奨です。
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